みなさんこんにちは。日々の臨床お疲れ様です。今回は、「リハビリ教材編」です。
どんな教材でも、配分性注意課題になっちゃう万能アプリをお伝えします。
注意障害の大分類
注意障害は、大きく二つに分類されます。
一つは全般性注意障害、他方は方向性注意障害です。
全般性注意障害の中に、持続性注意、選択性注意、配分性注意、転換性注意があります。
方向性注意障害の中に、半側空間無視が分類されています
全般性注意能力の分類
半側空間無視はイメージがつきやすいと思いますが、全般性注意障害の4つについてはイメージがつきにくい方もいるかもしれません。図で示しますね。
選択性注意能力
選択性注意能力とは、ノイズがあっても正しく反応する能力のことです。
聴覚で言えば、複数の単音から一つの単音のみに反応する能力です。生活場面では、周りがうるさくても相手の話を聞く時に必要になります。
視覚性では、キャンセレーションやTMT課題のように他の刺激に惑わされずに、適した物を選び出す能力です。生活場面では、買い物でシャンプーがたくさんある中で、自分がお気に入りのシャンプーを素早く選び出す時などに使われます。
矢印の長さは、持続時間を表します。
転換性注意能力
二つのことを瞬時に切り替えながら行うことです。
パソコンで作業をしていて、他の人から呼ばれた時にすぐに反応できる能力です。
また、話が終わった後にすぐに作業に戻ることができる能力でもあります。
矢印の長さは持続時間を表します。
配分性注意能力
配分性注意能力とは、二つのことを同時に行う能力のことを言います。
車の運転では、アクセルブレーキを操作しながらハンドル操作をすることです。
その他、人と会話しながら別の作業をすることなどです。
砂時計アプリの紹介
さて、ここまで全般性注意障害の説明を行いました。いよいよここからアプリの紹介です。
今回紹介するアプリはズバリ、「砂時計アプリ」です。
このアプリのおすすめポイント
- ひっくり返すと画面の砂時計がひっくり返ること、
- 全ての砂が落ちたら音で知らせてくれること
- 制限時間が設定でき、最短1分の砂時計を設定できることです。
具体的なリハビリでの活用方法
- 患者様にあった難易度のプリント課題をしていただき、横に砂時計を設定します。
- 「砂時計が落ち切る前に、必ずひっくり返してください」
「ひっくり返すタイミングはお任せします」
「砂が全て落ちてしまったら、音がなります。音がなったらアウトです」と説明します。 - 実施し、エラーがあれば都度指摘します。
これで、どんな方でも、ちょっとだけ難易度を上げた配分性注意課題となります。
患者様の所見別考察と対応
絶対ではありませんが、以下のような所見が見られたら、こんな障害を推測します。
熱中型
砂時計にわき目も降らずに、課題にのめり込んでしまう。
この方は、選択性注意が極端に優位になってしまっています。そのため、砂時計に気にすることができません。何度説明してもこうなってしまう方は、プリント課題の難易度を下げて、注意を分散させやすくするなどの配慮を行う。もしくは、まずは選択性注意能力を存分に向上させるのが吉かと思います。
注意散漫型
頻りに砂時計を気にしてしまい、まだ砂が落ち切るまで余裕があるのに、ひっくり返してしまう方がいます。また、砂を視認せずに砂をひっくり返してしまう方もいます。
抑制が効いていない印象があります。何度か繰り返しても、変化のない方は、先ほど同様選択性注意能力の向上を進めます。もしくは、抑制が効いていないのであれば、後出しジャンケン課題などを取り入れたりもします。
おわりに
今回は、砂時計アプリを用いた、配分性注意課題の取り組みを紹介しました。
ぜひ臨床で使ってみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント