このページでは、
ロゴジェンモデルの
出力語彙辞書について
説明を行います。
後半は、
出力語彙辞書の障害に特化した
訓練方法の紹介です。
![](https://st-ta-output.com/wp-content/uploads/2022/09/0FDBA9C6-B691-470E-AB0A-BA98A1338DAC-300x245.jpeg)
✔︎ 出力語彙辞書とは、
単語の大枠が載っているリストのこと
✔︎ 語彙選択とは、出力語彙辞書にある
言葉の大枠リストの中から、
適切な単語を選び出す処理
✔︎ 出力語彙辞書の障害では、親密度で
呼称の正答率にて差が出現する
出力語彙辞書と語彙選択の違い
![](https://st-ta-output.com/wp-content/uploads/2022/09/5E01E61D-B269-4DEB-96DC-F435C85E5791-300x300.jpeg)
出力語彙辞書とは、
単語の大枠が載っているリストのこと
単語の大枠とは、
・モーラ数
・イントネーション
・大体の漢字イメージ
・語頭音など
語彙選択とは、
出力語彙辞書にある言葉の大枠リストから、
適切な単語を選び出す処理という
この2つを分けて考える理由は、
出力語彙辞書の障害と
語彙選択の障害では、
出現する症状や訓練法が異なるから!
この記事では、
出力語彙辞書の障害を
説明していきます!
出力語彙辞書の障害で
見られる症状
![](https://st-ta-output.com/wp-content/uploads/2022/01/F73FAFB7-C65D-44FF-8453-2BF538482B22-300x300.png)
呼称で出力語彙辞書の障害がある場合には、
以下のような症状を認めます。
呼称において
・無反応
・tip of the tongue
・迂言
・意味性錯語
・形式性錯語
・頻度効果
ポイントになるのは、
親密度(頻度)による正答率の変化です。
出力語彙辞書の障害では、
頻度効果が出現します。
高頻度語は正答率が良く、
低頻度語の正答率が悪くなります。
また、誤り方の一貫性も出現します。
つまり、昨日と今日で正答する単語や
誤る単語の変化はしにくいということです。
⚠️ここからの説明は⚠️
⚠️私のイメージです⚠️
なぜ出力語彙辞書では、
頻度効果や正答誤答の一貫性が
出現するのかについて妄想してみました。
私のイメージでは、
健常の場合
出力語彙辞書はどのページも開きやすい。
しかし、
出力語彙辞書の障害になると
ページが重たく、硬くなり
開きにくくなる。
ただし、
病前からよく開いていた
高頻度語のページは、
開き癖や折り目がついており、
語彙辞書の障害となり
重たい辞書になった後でも
ページを開ける。
=正答できる。
一方で
低頻度語は、
辞書の折り目がついていないため、
障害後の重たい辞書では
なかなか開けず、
誤答になってしまう。
正答と誤答が一貫性があるのは、
高頻度語は折り目がついているから、
いつも正答できる。
低頻度語は折り目がついていないから
正答できる可能性が低い。
という理屈ではないか?
とイメージをしています。
少しでも
イメージが湧いていただけると
嬉しいです。
⚠️ここまでの説明は⚠️
⚠️私のイメージです⚠️
出力語彙辞書の検査法
![](https://st-ta-output.com/wp-content/uploads/2022/09/B7DB6A8F-16C3-401A-BEF5-97696C69D929-300x207.jpeg)
✔︎ SLTAの呼称課題
高親密度から低親密度の単語あり、
スクリーニングとしては使える
✔︎ TLPAの名詞表出検査
詳細に検査したい場合にはコレ!
高親密度/低親密度
高心像語/低心像語
を調整した単語を呼称していただく課題
親密度の差があれば、
出力語彙辞書の障害を疑う
心像性の差があれば
意味システムの障害を疑う
出力語彙辞書の障害の訓練法
![](https://st-ta-output.com/wp-content/uploads/2022/09/2817B444-A9E0-4C93-8FAA-F7A9B3D27AB9-300x240.jpeg)
出力語彙辞書の障害がある場合、
・漢字の選択課題
・SFA
・復唱的呼称課題、音読的呼称課題
をしてみてはいかがでしょう
漢字の選択課題
絵を見せて、漢字を選択する課題
「なるほど失語症」にも紹介されています
私は、いちいち漢字を並べるのが面倒なため
デジタル教材で行なっています。
ポインティングのみで実施可能なため、
音声での表出が重度の方でも
実施が可能です。
意味特徴分析(SFA)
単語の意味特徴(カテゴリー、用途、動作、特性、場所、連想)を答えることで、
出力語彙辞書を活性化させる訓練法。
海外の文献では、
・呼称で有意な改善(正答率100%)
・セラピー後2ヶ月間維持
・非訓練単語の呼称成績も有意に改善
・自ら意味ヒントが出せるようになる
可能性がある
と紹介されています。
・軽度から中等度の失語症者の呼称に
改善をもたらしやすい
・正答率の高い単語セットも
課題語に入れることで
成功体験を与えつつ訓練を行う
復唱的呼称、音読的呼称
集中的に音読や復唱を行うことで、
出力語彙辞書の活性化を狙う訓練法
海外の文献では
・訓練語については呼称にて有意な改善
・非訓練語への汎化は認めず
・セラピー後3週間経っても訓練効果は維持
と紹介されている。
① 提示された単語を音読する
30単語 ✖︎ 10回
② STが言った目標語を復唱
30単語(①とは別の種類)
おわりに
今回は、
出力語彙辞書について説明しました。
この障害により
呼称にて無反応や
tip of the tongueなどが出現します。
評価のポイントは、
親密度による差があるかないかです。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
下記の書籍を参考にさせていただきました。
読みやすい本ばかりですので、
気になる方は手に取ってみてください。
\まずはここから/
\なるほど失語症との親和性抜群/
\症例や訓練法が多彩/
今回紹介させていただいた
デジタル教材について
詳しく知りたい方や興味がある方は
下記からどうぞ。
コメント