【失語症】ロゴジェンモデルの語彙照合とは?【聴覚的理解】

ロゴジェンモデル

このページでは、
ロゴジェンモデルの
語彙照合と入力語彙辞書について
説明を行います。

後半は、
語彙照合の障害に特化した
デジタル訓練教材の紹介です。

要点

✔︎ 語彙照合とは、
 音声(文字)で提示された刺激が
 語彙(単語)であるかどうかを
 脳内で照らし合わせる処理である

✔︎ 脳内にある語彙のリストを
 入力語彙辞書と呼ぶ

✔︎ 語形聾では、音声言語の
 実在語と非語の区別ができなくなる

✔︎ 語彙照合、入力語彙辞書の
 障害されると語形聾になりやすい

語彙照合とは

音韻照合にて正しく認知された音が、
語彙(単語)として脳内に登録されているか
照らし合わせる処理
語彙照合と呼ぶ

これが障害されると
実在語を非語に感じてしまい、
復唱はできるにも関わらず、
単語の意味が分からないといった
症状が出現する。

入力語彙辞書とは

音声(文字)刺激を語彙照合をするときに
使われるリスト

入力語彙辞書と呼ぶ。

なお、
呼称のときには、
「出力」語彙辞書を使われる。

同じ語彙辞書でも、
話すときと聴くときで
異なる辞書になる。

語形聾とは

実在語と非語の区別がつかずに、
単語の聴覚的理解が低下することを
語形聾と呼ぶ。

先述した通り、
語彙照合や入力語彙辞書の障害で
語形聾の症状が出現しやすい。

具体的な症状としては、
音の認知はできているので、
/neko/を/neko/と聴こえてはいます。
しかし、そんな言葉を聴いたことがないと
感じてしまうことも。

その他には、
「水びたしですね」と聞いて、
「ミズビ?ミズビって何ですか?」
と、単語を変に区切ってしまう症状が
出現することもある。

場合によっては、
高頻度語の理解はできるが、
低頻度語の理解は難しい。

という症状が出ることもある。

語形聾の検査法

✔︎ 音韻聾は否定した上で、
 失語症語彙検査の語彙判断検査を実施。

 音声提示にて95%以下の正答率であれば
 語形聾と判断する。

✔︎ 音韻聾が否定できない場合、
 音声での語彙判断検査の低下で
 音韻聾or語形聾の可能性がある。

語彙判断検査とは

実在語や非語をランダムに提示し、
実在語かどうかをyes/noで
答えていただく課題

音声提示と文字提示の2種類があり、
音声での検査にて低下を示した場合、
語形聾であると判断する。

語形聾の訓練法

非語と実在語の異同弁別

語彙判断検査と同じ内容の課題

音声で非語や実在語を提示することで、
語彙照合の能力向上をねらいます。

注意点

・前提条件
 音韻照合までの処理が保たれている


非語を1から考えるって、大変ですよね。
非語を自動生成してくれるサイトがあるので、
私はここで非語を作っています。
文字数も選択できて便利です!

3-6文字の非語をリストで持っておけば、
失語症の評価や訓練で役立つと思います。
非語生成サイトはこちら

文中から実在語を見つける課題

仮名で書かれた句読点のない語を提示し、
単語を見つけて印をつける課題です。

注意点

・前提条件
 仮名1文字の音読が良好か、
 少なくとも軽度障害である

・難易度
 表記妥当性を調整することで、
 難易度設定が可能

表記妥当性とは、
その単語が示される形態の頻度を示す指標

「パソコン」や「インターネット」は、
カタカナで書かれることが多いので、
カナでの表記妥当性が高いと言えます。

反面、
ぱそこん、いんたーねっとという表記は
日常生活でほぼ見られないため、
仮名での表記妥当性は低いとなります。

表記妥当性が高いと、
「見慣れている」からこそ、
トップダウンの処理が働いてしまいます。

そのため、音を意識することなく
「まとまり」で読んでしまいます。

音韻経由での語彙処理課題を考えるならば、
表記妥当性の低い表記で
課題を設定する
ことが必要です。

単語をまとまりで区切る課題①

仮名文字列の中から
単語のまとまりを発見してもらう課題です。

例)
あめうどん → あめ|うどん

注意点

・前提条件
 仮名1文字の音読が良好

機械音声で単語の個数当て

平板なイントネーションで
「あ・め・う・ど・ん」
音声提示し、単語数を同定する課題です。

注意点

・前提条件
 語音弁別、音韻照合が良好

聞き取った音声を適切に区切るためには、
語彙照合能力が求められます。

平板なイントネーションで提示することで
語彙を区切る、手がかりを消すことが
できます。

おわりに

今回は、語彙照合と入力語彙辞書について
説明しました。
この障害により、
実在語と非語の弁別が困難になる
語形聾が出現します。

語形聾の訓練は、
音韻を意識して、
単語のまとまりを探す課題が
提案されています。

個人的には、音韻を意識するために、
音韻照合レベルの訓練も効果的
ではないかと
考えています。

ここまで読んでいただき
ありがとうございました。

下記の書籍を参考にさせていただきました。
読みやすい本ばかりですので、
気になる方は手に取ってみてください。

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今回紹介させていただいた
デジタル教材について
詳しく知りたい方や興味がある方は
下記からどうぞ。



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