ワーキングメモリの
中央実行系って何者?
部下に指示を出す
上司みたいなものだよ
その説明も
よく分からん!
詳しく教えて!
ワーキングメモリの
中央実行系
何をする部分かいまいち分からないですよね
記憶と処理をする「だけ」の部分
と思われているワーキングメモリ
実は
中央実行系がすごいんです
本記事は、
ワーキングメモリについて
自宅の高次脳機能障害系の本を
読み漁った私が
中央実行系を中心に
ワーキングメモリを解説します
この記事を読めば、
ワーキングメモリが
何者かが理解できると
思います。
ぜひ最後までご覧ください。
記事の結論とアプリ
複数の要素で構成されるワーキングメモリ
ワーキングメモリの概要
ワーキングメモリは論理的思考、理解、学習といった複雑な課題を遂行する際に物事を心的過程にとどめておくために必要とされるシステムである。
高次脳機能障害学第2版 著:石合純夫
引用文を平易な言葉にすると
「ワーキングメモリは複雑な物事を行う時に
考えている内容を頭にとどめておくための
システム」
になります。
次項からは
ワーキングメモリを構成する要素に
ついて説明します
聴覚系を担当する部下:
音韻ループ
有名な部分から先に説明していきます!
音韻ループは、音響的、音韻性の記憶痕跡をごく短時間(2秒程度)保持するコンポーネントとそれをリハーサルするコンポーネントからなる。
高次脳機能障害学第2版 著:石合純夫
(コンポーネント:要素)
(リハーサル:繰り返す)
つまり、
音韻ループは
音を記憶して処理する
役割を担っています
視覚系を担当する部下:
視空間スケッチパッド
視空間スケッチパッドは、視空間性のイメージについて音韻ループと同様の機能を持つシステムである。
高次脳機能障害学第2版 著:石合純夫
つまり、
視空間スケッチパッドは
視覚系の事象を記憶して処理する
役割を担っています。
複数の系統を担当する部下:エピソードバッファ
高次脳機能障害学第2版 著:石合純夫
多次元(多モダリティ)の情報を一時的に保管する。
つまり
エピソードバッファは、
音や視覚情報など複数の事象を
合体させ、保持し、
長期記憶とワーキングメモリシステムを繋ぐ
役割をしています
指示を出す上司:中央実行系
高次脳機能障害学第2版 著:石合純夫
中央実行系による注意制御に伴う様々な意識的処理の過程で、定着した言語、視覚性意味記憶、エピソードの長期記憶へのアクセスを経て、より長い記憶の過程へと橋渡しされる。
Shaliceは行動制御モデルにおいて注意の能動的制御機能をSASとして提唱している。SASとは、(中略)注意の種々の特性や重複する要素的注意を能動的に制御している、
より高次の注意制御機能である。日常の行動上は、(中略)競合スケジューリングにより適切なスキーマが選択される。
しかし通常とは異なる環境、情報下や通常のスキーマ選択が不可能なときは、
SASが働いて適切なスキーマを選択することにより行動に柔軟性や臨機応変さをもたらす。SASによるスキーマの選択は、情報を一時的に保持(記憶)し制御する働きをもつ
よく分かる失語症と高次脳機能障害 編集:鹿島 晴雄、種村 純
working memoryを基盤として行われる。
(要素的注意:選択性・配分性注意など)
(スキーマ:枠組み)
上司の役割をしている中央実行系
部下にあたるのが
・視空間スケッチパッド
・エピソードバッファ
・音韻ループ
引用部分を簡易な言葉で表すと…
中央実行系は注意制御にも関わっている
この注意制御機能をSASと呼ぶ
(私の解釈では
中央実行系=SAS)
日常的に行なっている行動は、
部下3つ主体となって働く
そのため
上司である中央実行系は出てこない
しかし、
非日常的なことが起こった時は
どの部下が対応するかを考えるために
中央実行系が働く
なお、
この思考は脳内で行われるので、
音韻ループや視空間スケッチパッド、
エピソードバッファを多量に使う
想像するならば、
部下たちに支えられながら、
上司が会議を開くというイメージ
つまり、
音韻ループや視空間スケッチパッドの能力が低い人は
中央実行系を用いた会議が行いづらい
【例の説明】
中央実行系が対応策を考えるときに、
・音韻ループ
・視空間スケッチパッド
・エピソードバッファ
が会議を支えてくれています
中央実行系会議の結果
「音韻ループフル活用!」
と言う結論に至りました
音韻ループが普段以上に活躍して
危機を回避したという話です。
注意能力の制御も行う中央実行系
Shaliceは行動制御モデルにおいて注意の能動的制御機能をSASとして提唱している。SASとは、注意の種々の特性や重複する要素的注意を能動的に制御している、
よく分かる失語症と高次脳機能障害 編集:鹿島 晴雄、種村 純
より高次の注意制御機能である。
ワーキングメモリにおける
上司的役割の中央実行系
中央実行系は、
選択性注意や配分性注意などの
それぞれの注意機能についても
制御を行っています。
ワーキングメモリと注意機能の
類似点を考えれば、
納得のいく話かもしれません。
まとめ
今回は、
ワーキングメモリの紹介をしました。
中央実行系は
・ワーキングメモリーの指示出し
・注意機能の制御
の2つを行っています。
また、
慣れた活動では中央実行系は働きませんが、
非常時などには出現します。
ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。
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